在宅医療やまぐちクリニックさま
2022/06/30
在宅医療やまぐちクリニック ×
聴こえないことに慣れてしまう前に
聴こえる喜びを感じてもらう。
それがいちばん大切です。
より良い生活を送っていただくために日々の暮らしに寄り添う医療を行う、在宅医療やまぐちクリニックさま。
在宅診療や高齢者施設でのcomuoon活用事例をご紹介します。
在宅医療やまぐちクリニック 院長
山口 高秀さま
「安心で安定した療養生活をできるだけ多くの場所で」という想いのもと、疾患・障害を持ちながらも治療できる地域で療養できる場の選択肢を増やすことをめざし、日々在宅医療に取り組んでいる。
導入シーン | 在宅診療 / 高齢者施設 |
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導入機器 | comuoon SE |
導入前
大声で怒っている印象を与えてしまう
在宅医療は、日々の暮らしに寄り添う生活に根ざした対話というものが重要。
聴こえにくいという状況があると、大声で話しかけて怒っているような印象を与えてしまったり、内容やニュアンスが乏しくなる弊害がでてしまう。
コミュニケーションが図れないと、どんどん会話しない&対話しない状況が当たり前になってしまう。
導入後
どんな方とも対話がスムーズになった
寝たきりで難聴に加え目も見えにくい、筆談など視覚に頼ることができない患者さんの往診が、 comuoonを介することで対話がスムーズになり、話の内容もとても豊富なものに変わった。
Q. comuoonを導入された理由は?
山口:私たちが行う在宅医療というものは、病院で行う医療とは少し性格が異なります。
基本的に「病気を治しましょう」というスタンスで患者さまと接する医療機関と違い、在宅医療ではもっとその方の生活の中に入り込んで、疾病や障害を抱えながらも、より良い生活を送っていただくためにどう医療を役立てようか、という視点に立ち、日々の暮らしに寄り添うような医療行為を行っていきます。ですので、「血圧の数値はいくつです」といったやりとりもあるのですが、「最近はどう過ごされていますか?」とか「何かやりたいことはありますか?」といった、もっと生活に根ざした対話というものが重要になってくるわけなんです。そのときに、聴こえにくいという状況があると、どうしても弊害が出てしまう。
例えば、コミュニケーションを図る際に、聴こえやすいように大声で話しかけると、怒っているような印象を与えてしまったり、内容が乏しくなったり、ニュアンスがなくなってしまうなど、伝わる情報の量が少なくなり、気持ち自体も変化してしまうんですね。ですので、日頃から聴こえに関する課題に直面していたわけなんです。そういった背景の中で、数年前にたまたま中石社長のプレゼンテーションを拝見する機会があり、そこで初めてcomuoonの存在を知ることになりました。
障害を持つ側が何かを装着して健聴者に近づけるという発想ではなく、健聴者の方が歩み寄るというコンセプトに非常に感銘を受けまして、その場で「1台貸し出していただけませんか?」とお願いし、導入させていただいた次第です。
Q. 実際にcomuoonを使用されて
いかがでしたか?
山口:最初は往診の場で活用させていただきました。
その患者さまは寝たきりの方なのですが、難聴に加え目も見えにくいということで、筆談など視覚に頼ることができないという非常に難しい患者さまでした。
ですが、comuoonを介することで一気に対話がスムーズになり、お互いに穏やかに、話の内容もとても豊富なものに変わったんですね。そこでこの機器は間違いないと確信しました。
ただ、在宅医療の場合は、どうしても設置の手間が生じてしまうという部分もあったので、以後は私たちが在宅医療で関わらせていただいている高齢者向け施設の方で導入させていただいております。ただ、当時から製品も進化しており、在宅医療の場で求められるモバイル性なども今後ますます改善されていくと思うので、そういう意味でも間違いなく利用シーンは広まっていくものと感じております。
Q. 聴こえの問題に対して
どのようにお考えですか?
山口:聴覚というのは非常に特殊で、人は聴こえないという状況になじむことができてしまうんですね。
そこに本当の難しさがあると感じています。「話しても伝わらないし、みんな何を言っているかわからないからいいや」と、一度生活からコミュニケーションを排除してしまうと、マイナスのやりくりをしてしまって、どんどん話さなくなってしまうんです。
しかし、こわいのは逆にそうすることで対話における問題を感じない生活が確立されて、困らない状況ができあがってしまうということなんです。在宅医療を通して、そういった状況を間近に目にしてきているので、comuoonのような機器と関わるのは、早ければ早いほどいいと強く思いますね。
そういうマイナスの思考ができあがってしまう前に取り入れていくことが重要だと考えます。
Q. 今後comuoonに期待することは?
山口:難聴の方とcomuoonとの出会いは早い方がいいですし、comuoonの音は健聴者にとっても聴きやすいものですので、もっと日常の中に組み込まれるような存在になってほしいですね。それは人と人の対話という場以外でも、例えば駅のアナウンスや警報器、選挙の演説や自動車のクラクションなど、聴こえが関係する全ての場所でcomuoonを通したクリアな音が聴こえてくるような世の中になることを願っています。